2025年 中学校教科書改訂<英語>

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中学校では4年に一度、教科書の改訂が行われます。

2021年の教科書改訂では、一部高校内容の中学繰り上げや、英単語・文法の高度化が話題となりましたが、今回の教科書改訂はどのようになるのでしょうか?

<中学校教科書は4年に1回改訂される!>

↑文科省HPより

2025年度から中学校で使用される教科書は、「小改訂」として一部内容が更新されます。主な変更点は以下のとおりです。

1. デジタルコンテンツの充実

  • 教科書内に掲載されるQRコードの数が約4倍に増加し、動画や音声などのデジタル教材へのアクセスが容易になります。
  • 特に理科や社会科では、実験や観察、最新の資料を動画で学習できるコンテンツが強化されます。

2.中1英語の導入が、以前よりも緩やかに

  • 小学校での英語必修化に伴い、中学校英語の内容が見直され、難易度が上がることが予想されています。
  • 例えば、中学1年生の最初の単元で「nervous」といった単語が登場するなど、より高度な語彙や表現が含まれる可能性があります。

  東京書籍(NEW HORIZON)の説明ページより

 上記の単元を見ると、前回改定で戸惑った、中1の4月に英語が嫌いになる「詰め込みすぎ」現象が、若干緩和されることが予測されます。今までの教科書では・Be動詞/一般動詞/Canなどの疑問文と、複数文法を一度に詰め込みましたが、これは明らかに現場では不評でした。2025年改訂では、中1のスタートが緩やかに始まります

 

2.改訂後の中学総単語量は前回+200語の1700語

また、単語の量は、今までの中学単語1500語程度から今回で1700語(NEW HORIZONの場合)となり約200語の増加です。小学生での学習単語630語を含めると、中3までで2300語を超える単語量となり、引き続き、単語量は増加していきます。

 但し、発信(表現)するのに必要な最重要単語を約800語としているため、単語量の増加はそれほど大きな負担とならない可能性があります。

3. デジタルコンテンツの充実

 2021年改訂から、教科書にQRコードが掲載され、教科書内容をスマホ等で拡張学習することができるようになっています。この流れは2025年改訂で更に進みます。

 例えばNEW HORIZONでは、今までの本文と音声に加え、マスク表示により問題形式で単語の学習を行うことができます。また、単元の関連事項をQRコードで表示されたページから学ぶ拡張機能も充実しました。

4.教科書改訂にどう対応するか?(保護者・塾関係者向け)

  教科書改訂時の対応は、保護者、塾関係者にとって死活問題となります。

留意点を以下に書きます。

① 昨年までのテキストが使用できなくなる。

 兄弟の持っていた教科書・参考書、塾の在庫の昨年までのテキストは内容が変わります。

 数学や理科といった科目はまだしも、英語・国語といった、本文のあるテキストは、過年度のものの使用はお勧めできません。塾で教科書改訂の対応をしない場合は、信頼が激減するため、新年度の教材は特に注意が必要です。

 2025年度版の問題集を用意することが必須です。

②昨年までの過去問の価値が下がる

 兄弟や塾から過去問をもらって、テスト対策をする人も多いと思います。しかし、教科書改訂により、過去問からの出題が期待できなくなります。

 ですから過去問ではなく、学校教科書や学校のワークを丁寧に学習することで、定期テストに備える必要があります。

③コミニュケーション重視による定期テスト・高校入試問題の変化

 「使える英語の要望」や「生成AIの普及」の外圧から英語学習の形が変化しています。文法よりもコミニュケーション、暗記ではなく活用、要約、といった流れが今後も続いていくでしょう。

 スピーキングや作文により「発信力」を重視する傾向はますます強くなります。

また、入試英語では、リスニングの高度化と、長文化、英作文の重視や要約問題の導入がされていくことでしょう。

 今まで同様に、英語の苦手な生徒は置いていかれる傾向が続きます。

しかし、高校定員割れの拡大や、私立高校無償化の追い風のため、学力がなくとも高校には行けることになるでしょう。

 ただし、難関校や、自分の学力よりも高い高校にチャレンジする場合には、中1から英語の学習を重視する必要があります。

  塾では一層今までの文法中心の学習では成果が出しにくくなります。文法に加え、単語、リスニング、英作文、要約といった指導軸を持ち、生徒の英語力を伸ばす必要があります。

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